1月15日、老舗ブロック玩具メーカー「レゴ(デンマーク、ビルン)」と、中国のオンラインサービス大手「テンセント(中国、広東省)」の提携が発表されました(プレスリリース)。
デジタルセーフティー
この提携のキーワードは「デジタルセーフティー」。
レゴが発表したプレスリリースには、「デジタル世界で時間を費やす子供たちが増えるにつれ、中国の親たちと地域社会にとって、オンラインでの遊び体験において子どもたちの安全が確保されることは重要な課題になっています」、「この提携は、中国の子どもたちにレゴブランドの安全なデジタル遊びの提供を実現し、中国の子どもたちとその親たちに、デジタルセーフティーへの関心を高めていただくことを目指します」といった趣旨のことが書かれています。
つまり今回の提携には、下記のふたつのゴールが設定されているということです。
- 中国の子供たちに、レゴブランドの安全なオンライン遊びを提供する
- 中国の子供たちと親たちに、デジタルセーフティーの重要性を啓蒙する
企業間の提携では一般に、生産提携、販売提携、技術提携、資本提携など、お互いの弱みを補い合うことによる「ビジネス拡大の実現」を第一目標とすることが多いですが、この提携は「社会的なミッションの共有」に重点を置いている点が特徴的と言えるでしょう。
またこのミッションからは、昨年米国FBI(連邦捜査局)が警告を発したことで大きな関心を集めた「コネクテッドトイに潜む危険性」に対して、万全を期したいという強い思いも伝わってきます。
セーフティーポリシー
デジタルセーフティーの詳細については語られていませんが、レゴが規定している「デジタル・チャイルド・セーフティーポリシー」の骨格が紹介されていましたので、ご参考までにご覧ください。
- コンテンツに関する規定
- ペアレンタルコントロールに関する規定
- ネットワーク上の誹謗中傷やいじめへの取り組みに関する規定
- 児童性的虐待コンテンツへの取り組みに関する規定
- ネットワークで知り合った人からの誘い出しなどへの取り組みに関する規定
- プライバシーコントロールに関する規定
- 安全意識に関する規定
ちなみにこのポリシーは、レゴがパートナーシップを結んでいるユニセフ(アメリカ、ニューヨーク)が作成した「インターネット上の子どもの保護に関するガイドライン」をたたき台に作られたものです。
今回の提携では、この「デジタル・チャイルド・セーフティーポリシー」に加え、テンセントが持つ「ペンギン・グロウ ウィズ ユー ~チャイルド・プロテクション・イン・デジタル・エイジ~ フレームワーク」、および同じくテンセントが持つ「グロウス・ガーデン・プラットフォーム」の規定を順守することで、安全なオンラインエコシステムを構築してくいくとされています。
事業領域
肝心の、提携による事業展開に関しては、以下の4点が発表されました。
- テンセントビデオプラットフォーム内への「レゴビデオゾーン」の開設
- 「レゴブランドのゲーム」の開発と出版、運営
- 「レゴブースト(組み立て&コーディングで遊ぶセット製品)」のためのオンラインシステムの出版・運営
- 中国の子供たちのための安全なソーシャルネットワーク「レゴライフ」を共同開発するための調査