マテルと共同で「カミガミ」を開発したダッシュ・ロボティクスが、AIロボットのボッツ・アライブを買収

先月の投稿で、「玩具大手のマテルと共同でBIYロボットを開発したコネクテッドトイの専門会社」とご紹介したばかりの「ダッシュ・ロボティックス(アメリカ、カリフォルニア州)」が、昨日11月16日付けで、人工知能型ロボットトイの開発で知られる「ボッツ・アライブ(アメリカ、テキサス州)」を買収したというニュースが入ってきました。

ボッツ・アライブ社とは

MITメディアラボの准教授、シンシア・ブリジール(Cynthia Breazeal)をご存知でしょうか。パーソナルロボットの研究で知られている女性で、2010年にはTEDで講演を行っています。ボッツ・アライブ社は、彼女の研究グループに参加していたブラッド・ノックス(Bradley Knox)が、2015年2月に設立した会社です。

設立後の動きは知りませんが、ボッツ・アライブ社は、人工知能型ロボットトイ・システムの資金集めのためにKickstarterプロジェクトを立ち上げたことと、そのシステムのユニークさで知られています。

今年に入って1~2月と9月の2度に渡りKickstarterでの資金集めに成功していて、特に9月に行われたキャンペーンでは、わずか2日間で目標額を超える$33,762を調達したばかりでした。そのことを考えると、「2度目の資金調達を終えたばかりのタイミングで買収に応じ、しかも買収元は超大手企業ではなく、2013年設立のスタートアップであるダッシュ・ロボティックスだった」という展開は意外ですが、子供向けロボットの発展にとって目が離せないチームが出現したことは間違い有りません。

Kickstarterプロジェクト「bots_alive」

ちなみに、ボッツ・アライブ社がKickstarterで資金出資を募ったのは、社名と同じく「bots_alive」という名のプロジェクトでした。このページ上部のYoutube動画をご覧ください。これがその「bots_alive」です。

このプロジェクトのユニークな試みは、本来はリモコンで動かして遊ぶSTEMロボットに、人口知能をベースにした学習能力を与え、まるで生きているかのような「自立した動き」をさせるところにあります。動画をご覧いただくとお分かりのように、最初は道順を間違ったり、進むことをためらったりしているクモ型ロボットが、そのうち障害物を避けることを学習しながら、自立動作を完成させていくようすがお分かりいただけると思います。

詳しい仕組みはわかりませんが、クモ型ロボットおよびブロック(障害物)の上部に「点字のようなマーク」があるので、ザクッと言えば、「スマートフォンにインストールされたアプリが内蔵カメラを通してこれらのマークを認識し、クモ型ロボットと障害物の位置関係を把握し、クモ型ロボットが取るべき正しい動き(向きや道順)を判断し、スマートフォンに取り付けた赤外線デバイスを通してクモ型ロボットをコントロールして正しい動きをさせる」という仕組みだと思われます。

これを繰り返すことによって、スマートフォン内にあるクモ型ロボットの「脳」が学習し、最終的に、クモ型ロボットが生き物のように自立して動くようになる…ということでしょう。

「コンピュータービジョン(ロボットの目)」と「マシンラーニング(機械学習)」は、ロボットが3次元の実世界で動き回り、個性を持った生き物のように存在するためのキーワードですが、「bots_alive」は、その両方を備えたシステムと言えそうです。

イノベーション・ファースト・インターナショナルの「HEXBUG®

なお「bots_alive」が使用しているクモ型ロボットには、「イノベーション・ファースト・インターナショナル(アメリカ、テキサス州)」の人気ブランド「HEXBUG®」のラインナップから、「Hexbug® Spider」というロボットが採用されています。イノベーション・ファースト・インターナショナルは1996年に設立された老舗で、ベックス・ロボティクス(VEX Robotics)、ラック・ソリューションズ(RackSolutions)、イノベーション・ファースト・ラボ(Innovation First Labs)の3社を傘下にもち、一般市場向けにはHEXBUG®ブランドを確立し、学校教育向けのSTEM教材にも積極的に展開してる企業です。