ブラックベリーが、QNXおよびCerticomの技術をジャガー・ランドローバーにライセンス

ブラックベリー (BlackBerry Limited、カナダ、オンタリオ州)とジャガー・ランドローバー(Jaguar Land Rover Limited、イギリス、コヴェントリー)は、3月22日、次世代自動車のための技術の共同開発に関する複数年契約を締結したと発表しました(プレスリリース)。

この契約の一環としてブラックベリーは、子会社キューエヌエックス・ソフトウエア・システムズ(QNX Software Systems Limited、カナダ、オタワ)および、同サーティコム(Certicom Corp.、カナダ、オンタリオ州)の技術をジャガー・ランドローバーにライセンスすると同時に、新型ECU(Engine Control Unit)モジュールの開発をサポートする技術者チームを派遣するとのことです。ECUプロジェクトの第一弾は、次世代車載情報通信システムになる見込みです。

ブラックベリーは昨年3月「BlackBerry Value Added Integrator(VAI) プログラム」というパートナープログラムを発表して、「BlackBerry® QNX 組み込みソフトウェアおよび Certicom Elliptical Curve Cryptography ベースのセキュリティソ・リューションのトレーニングを受けた、世界的な専門家ネットワークを構築します」と謳っていましたが、今回のジャガー・ランドローバーとのパートナーリングはその路線にあるものと思われます。

ジャガー・ランドローバー

ジャガーは高級車ブランド。ランドローバーはオフロード車ブランド。ともにイギリスを代表する世界的な自動車ブランドです。第二次世界大戦後の好景気やオイルショック後の不況など、時代の荒波にもまれ、最終的に両ブランドともフォード・モーター(Ford Motor Company、アメリカ、ミシガン州)の傘下になりましたが、2008年6月2日、タタ・モーターズ(Tata Motors Limited、インド、ムンバイ)に売却されました。

キューエヌエックス・ソフトウエア・システムズ

キューエヌエックス・ソフトウエア・システムズはブラックベリーの子会社です。モバイルフォンや車など、さまざまなデバイスの組み込みシステムとして利用されるUNIX系のリアルタイムOS「QNX」を主力製品としています。1980年創業後、2014年10月にハーマン・インターナショナル(Harman International、アメリカ、スタンフォード)に買収され、さらに2010年4月、リサーチ・イン・モーション(Research In Motion Limited、通称RIM)に買収されました(リサーチ・イン・モーションはブラックベリーの旧社名です。2013年7月9日、リサーチ・イン・モーションからブラックベリーに社名変更されています)。

サーティコム

サーティコムはブラックベリーの子会社です。1985年創業。楕円曲線暗号(ECC、Elliptic Curve Cryptography)をベースにしたセキュリティ技術の特許で知られています。2009年3月24日、リサーチ・イン・モーションに買収されました。